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同窓会総会の報告

同窓会懇親会 会長挨拶(要旨)

富山県立魚津高等学校
令和5年8月13日
同窓会長 大田 弘(魚高23回生)

皆さん、こんにちは!お暑い中、またご多忙の中、たくさんの方にお集り頂きました。創立120周年記念祝賀会以来、4年ぶりの懇親会開催となります。
今日は理工科第一期生・24回生の中村先生から最先端の量子コンピューター技術について、分かり易く講演を頂きました。同窓生の幅広な人財力を感じた次第です。
高校生徒の海外研修が再開されることになりました。創立120周年記念事業の一環として中尾哲雄・名誉会長を始めとした多くの皆さん方のご厚志により設立された紅奨学基金からの支援を予定しています。

令和4年度の同窓会活性化への挑戦として同窓生から同窓生に繋ぐ「リレートーク」を定期的にHPで配信しています。県外在住の方も出演される予定など少しずつではありますが、前進しつつあります。皆様方には、ご覧いただくだけでなく“出演”をお待ち申し上げております。

<映画・黒部の太陽のモデルとなった男>

私の地元の話で恐縮ですが、宇奈月温泉は今年、100周年、黒部川第四発電所“くろよん”・黒部ダムは完成60周年を迎えております。
そして来年からは宇奈月温泉から直接、黒部ダムへの通り抜けが可能となります。”黒部宇奈月キャニオンルート”として一般開放されます。

この”クロヨン”をモデルとして55年前に制作された映画・黒部の太陽は観客数730万人、空前の大ヒットとなりました。私は高校時代にこの映画を観て、迷うことなく土木に向かいました。
この映画の主人公(石原裕次郎)のモデルとなったのが入善町出身の笹島さんと云う方、(6年前に99歳と9か月で亡くなられました)
この方にまつわるお話をします。


(左端:故・笹島信義氏/右端:大田)

時の国土交通大臣から「”黒部の太陽”に会いたい!」頼まれて、渋る笹島さんを大臣室にお連れしたことがありました。
その後、大臣から「大田さん、笹島さんは当然、勲章を貰っているのだろうね?」とお尋ねがありました。笹島さんは熊谷組の仕事しかしたことがなく、かつ一匹オオカミでしたので、叙勲に必要とされる公的な団体(○○協会とか)の活動はゼロでした。よって叙勲対象にはなりえませんでした。
大臣から「”黒部の太陽”がそれではオカシイだろう」とのお話しがあり、ゼネコン業界全体として特別推薦を行うことで叙勲が内定しました。


(左から大田、太田昭宏国土交通大臣(当時)、故・笹島信義氏)

(左から太田昭宏国土交通大臣(当時)、故・笹島信義氏、大田)

それを笹島さんにお伝えした所、「絶対に貰わない!そんなもの貰ったら社員が仕事の目的を勘違いする。下請けには下請けの作法がある!」と断固拒否。私は喜ばれるだろうと思ってやったことが笹島さんにとっては飛んでもないお節介だったのです。
困り果てた私は一晩考えて翌日、こう告げました。
「笹島さん、昨日の勲章の話。間違いだった」笹島さん「そうでしょう。そうでしょう。良かった!」と。
大田「叙勲の対象はあなたの部下だったクロヨンの戦士たち。あなたも90歳を超えた。その内、お迎えが来て川を渡る時。向こうの岸で親方のあなたを待っている多くの人たちに”おーい!代表して預かってきたぞ」と。
暫く沈黙の後、笹島さんは「分かりました」と。

この方が偉かったのは天が与えた才能を駆使し、人並み外れた努力をして日本一のトンネル屋になったことよりも、恩義、信義を忘れずに、お金よりもっともっと大切なこと、大義を貫いたこと、人としての生き方を示したことだったと思います。

<グレートリセット ―生き方の根底からの見直し―>

 今、SGDs(持続可能な開発目標)とかウエルビーイングとかこれまでの生き方を見直そう(リセット)のうねりが起きています。人それぞれにあった幸せお物差しを持とうというものです。

昨年の総会でも申し上げましたが、魚津高校も、また同窓会も堅持すべき伝統とリセットすべき事項があります。
昨年度の田中学校長には「ミニ中部高校では駄目、呉東の文化伝統に根ざした個性に満ち溢れた田舎エリート校へのグレートリセット」をお願いしました。
そんな矢先に田中校長は中部高校に転勤されたとのこと。
亀谷新校長に期待したいと思います。

以  上