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図書「吉本隆明の帰郷」発刊のお知らせ

吉本隆明さん(吉本ばななの父上)が終戦直前に日本カーバイト魚津工場で徴用労働に就いていた時のことなどを書いた図書「吉本隆明の帰郷」(石関善治郎著)が発刊されました。

当時、終戦を魚津で迎えたこと、魚津中学の皆さんとも親交があったとのことで、同窓会総会へ調査に来られたことがあります。

このようなつながりがあることから、今回、図書「吉本隆明の帰郷」発刊をお知らせいたしますので、ご興味がおありの方はぜひ一読されることをおすすめいたします。

以下、この図書の表紙、および紹介文です。

吉本隆明の帰郷

この度、『吉本隆明の帰郷』(石関善治郎著 思潮社 八月新刊)を上梓致しました。
この本は、好評をいただきました、『吉本隆明の東京』(作品社 二〇〇五年)、の「続編」ともいうべき、詩人・思想家、吉本隆明の評伝で、次の特色があります。

① 吉本隆明の両親は、大正十三年春、熊本県天草から東京に出てきました。隆明の祖父・祖母、兄姉を伴い、母は胎内に隆明を宿していました。
営んでいた造船所が倒産して、「夜逃げ」同然に島(天草)を出てきたのだと、隆明は言っています。
なぜ、「夜逃げ」にまで追い詰められたのか。そもそも天草の吉本家とは、どのような一家だったのか。
この本では、現地、天草で取材を重ね、吉本隆明の出どころを探り、吉本思想の源流を見極めようとしています。

② 吉本隆明の思想の出発は、第二次大戦の敗戦にあります。
軍国青年であった隆明は、自分の生き方・考えが根底から覆されたショックから、手探りの模索を続け、独力で自前の思想作り上げました。
敗戦を迎えたのは、富山県魚津市。
魚津で、吉本隆明は何をしていたのか。隆明の戦中の生活を富山に探り、また、隆明がその不慮の死を悼んだ、伝説の編集者・岩淵五郎との対比のなかで、吉本の戦争体験と戦後を問うています。

なにとぞ、ご高覧の上、ご高評たまわりますよう、お願い申し上げます。

石関善治郎